またもや神回

前回の記事の翌日です。私が2日連続で探索に行くのも復帰直後ならではではないでしょうか。

普通に考えて、定期考査後の2連休は長時間睡眠を取る人が多いと思いますが、私に関しては、試験後に2日連続で探索に行くので逆に試験後で睡眠時間は相当に下がっています。早めに学習を始め、直前で一夜漬けをすることがない私は、復帰後の睡眠時間の差がより目立ちます。

偉いでしょ!

 

前回と同じ地域で同じような植生のフィールドですが、今回はそれなりに整備れ、時々や自転車が通行するような林道を15kmほど歩き、見つけた森などで探していくスタイルです。普段は登山道に入りますが、主に車が通行する林道をひたすら歩き、きのこを探します。前半は何度か訪れたことのあるフィールドが含まれますが、今回探索する林道の大半は訪れたことのないエリアとなるため、中々に楽しみです。

 

コツバイチメガサ

林道脇の、湧水が滴る苔に生えており、いかにもコツバイチメガサ!って感じの場所に生えていました。

 

スッポンタケ(幼菌)

一瞬、野球ボールが埋まっているのかと思いました(笑)ですが触った瞬間感じるゼラチン質。辺りを見回すと同じサイズの球体が何個も埋まっていました。

1週間後くらいに訪れるといい感じで子実体が出てきていそうです。

 

ハナサナギタケ

夏に頭角を現した殆どの冬虫夏草は完全に朽ち果ててなくなる時期ですが、流石は超普通種。ほぼ1年中見つかるようですね。

 

トガリツキミタケ

全身が黄色の個体は何気に初めて見ました。

 

オトメノカサ属

前回確認した個体と同種でしょう。カサがほんのりと桃色を帯びる個体が多く、かなり大型になるようです。

 

ハダイロガサ

何気に人生で初発見。思った以上に大きかったため、一瞬カヤタケ系に思えましたが、カサの質感は完全にヌメリガサ科。

 

ツチナメコ

正直、今回の探索で一番凄まじかった種です。まず、普通種ではあるようですが、発生環境が曖昧な種が2日連続で見つかったことが驚きです。そして、ここまでのサイズがあり、虫食いなども少ない状態のツチナメコは初めて見ました。実際にはこのくらいのサイズが普通なのですが、私は高さ3cmほどの小さな個体しか見たことがなかったため、シンプルに驚きました。

 

一見するとナラタケのようなルックス、ただナラタケよりも優しそうな雰囲気。そして絶妙に垂生するヒダ。確かに前日も同じくらいのサイズのツチナメコを見ましたが、こんなにも完璧な状態で出会えるだなんて…

 

そしてあの1株だけでないんですよ!先ほどの株の近くにも数本ありましたが、林道を少し進むと更に複数株を確認!それも、いかにもツチナメコらしい環境に、いかにもツチナメコらしい生え方(伝わらないと思われるが)

 

そして当然ながら採取します。まさか1か所だけでなく複数個所で本種が大量に見つかるなんて…

ツチナメコだけがこんなにも収穫された画像なんて誰も見たことないでしょ?(笑)私ようなよっぽどのフミヅキタケ属マニアでない限りこんなことしないでしょう(笑)

 

コベニヤマタケ近縁種

基本的にスギ、ヒノキの植林地がメインとなる林道ですが、一部、植林前の雑木林が残る場所があります。そこにポツポツと発生。

コベニヤマタケと言うのも結構情報が少ないので近縁種としました。

 

クリフウセンタケ…に極めて近縁であろうフウセンタケ属

一瞬言葉を失いました。普通に信じられなかったのですよ。確かにクリフウセンタケが生え得る環境ではありますが、7年前に山梨県の高原で見たのが最後だったため、うそやろ!?スギに植林されずに残った僅かな広葉樹林(標高600m)に生えるだと!?と今年topレベルで驚きましたw

確かに、クヌギ、コナラ、シラカシなどにアカマツが混じる環境なので、全然生え得る環境ではあるとは思います。ただどうしても引っかかる点があるんですよね…

 

それは柄とヒダ。シルエットは完全にクリフウセンタケですが、柄に付着するツバがここまで茶色いことなんてあるのか?また、ヒダの色が濃すぎないか?などと少々引っかかる点がありました。クリフウセンタケはもっと白っぽい印象がありますよね。なので今回は近縁種と言う判断に。この標高じゃ流石に本家は生えないか…ただフウセンタケ属の中でも、食種の多いアブラシメジ系(クリフウセンタケもここに属する)に近いグループだと言うのはほぼ確定でしょう。

 

サンコタケ

周囲を通るだけでもその臭さが鼻をつんざくようですが、今回は何も感じませんでした。

 

アカヤマタケ

本種も今回の林道沿いで大量に見られた種の1つです。普通に落ち葉が溜まったところに、大群生とまでは行きませんが、相当な量が生えていました。

ヌメリガサ科の腐生菌がここまで群生するのは初めて見たと思います。

 

ヒメムラサキシメジ

人生で初発見!路肩の落ち葉が積もっただけの場所であっさり見つかりました。最初はイッポンシメジ系の何かだと思いましたが、純白で極めて密なヒダと根本の白い菌糸を見て驚きました。

結構濃い紫色なんですね。こう見えてもシメジ科シメジ属と言うスタイル。

 

ツチイチメガサ

ツチナメコがあるならそれによく似た本種もあるかなぁと思っていたところ、ありました(笑)

ツチナメコとの識別が曖昧でしたが、典型的なツチナメコをあれほど見たならもう間違える気はしません。

 

そしてツチナメコは異様なまでに見つかりますw

本日初確認した環境と同じような雰囲気の地面を見るとほぼ確実に見つかるレベルで、本当にどこにでもありました。フミヅキタケ属の中では発生環境がパッとしない印象がありますが、今回発見した個体の大半が、路肩に積もり上げられた湿気のある腐葉土(落ち葉少な目)に発生していることが多い印象を受けました。

だとしても超富栄養な環境を好む訳でもない腐生菌がここまで広範囲に渡って大量に見られることがあるなんて…

 

ムラサキシメジ

編集じゃないです。カメラの彩度を通常より高い設定にしている訳でもありません。とんっっっでもない紫色です。まさにムラサキシメジって感じの色ですね。少し成長すると結構灰色に近いくすんだ紫色になることの多いきのこなので、ここまでビビッドな紫色の個体は相当久しぶりに見た気がします。まさに目が覚めるような鮮やかさですね。

 

ヌメリスギタケ

正直、ツチナメコの大量発生以上に驚きました。ヌメリスギタケですよ!? どう考えても標高800m以上の高地または高緯度地域のブナ林で見られるきのこです。それが標高5、600m程度の、スギ林に転がった広葉樹から生えているなんて…どうなってんの!?と思いましたが、過去に山梨県の高原で確認した個体と比べると、何となく細い印象を受けました。そう、あまり知られていませんが、本種は人工栽培に成功し、種駒も販売されている種です。と言うことは、恐らく近隣の民家で栽培されていた個体の胞子が逃げたのでしょう。

 

Lepista irina

前回も確認。前回のフィールドに近いエリアなのでまぁあるだろうなと思っていましたが、何気なく本種のことを考えると見つかるくらい、本種も至る所にありました。

 

当然ながら今回もノルマ達成です(笑)

何となく黄色味が強く映ったため、アラゲコガネコチャワンタケに見えますが、普通にオレンジ色で、Scutellinia spと言ったところでしょう。

 

と言った形で、林道の半分が終了。訪れたことのエリアとなるため、「あの沢の超上流にこんなにもでかい砂防があったのか!?」などと驚くシーンやフォトスポットも多く、楽しめました。しかも車も自転車も殆ど通らないので林道の真ん中を堂々と歩けましたしね!

 

ここから後半は、数回訪れたことのあるフィールドになります。

ナラタケ

大半は枯れた個体でしたが、やはり新鮮な状態の個体は一定数残って居ました。

 

アイカワタケ

成長すると思った以上に白くなるようですね。ぱっと見、こんなところに富士山でお馴染みのマスタケ!?と思いましたが、裏側の黄色味の強さや、老菌の白さから、同属のアイカワタケだろうと判断。

 

クマシメジ

モミの木が1本だけ生えている環境です。2年前に1本だけポツンと生えているのを確認し、その2年後、5本ほど生えている様子を確認でき、当時のあれはマグレではなかったのだと安心。

 

センボンイチメガサ

スギに生えるとどうしてもコレラタケやヒメアジロガサモドキ感が出てしまいますが、それらと間違える程私は甘くありません!

 

そうして計8時間ほど林道沿いを歩いて探索をし、終了。

とりあえず…情報量の多い探索でした(笑)

大群生が多かったので、一気に図鑑に何種類も追加できるでしょう。と言う訳で、ボチボチと図鑑に色々と追加していこうと思います。

 

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