AWA7AKE

  • 富士山紀行2

    富士山探索後半です。嬉しいことに雨は止み、所々晴れる時間も現れ始めました。

    後半は4合目から3合目で下山するまでの収穫を一気に紹介します。

     

     

    4合目以降は5合目までの、火山の噴火を感じられる森林限界からはガラリと変わります。

    見渡す限り地面は鮮緑色の苔に覆われ、そこに幾本と立ち並ぶ木々はシラビソやモミ、カラマツ、トウヒなど寒冷地の針葉樹。それらが作る薄暗い森林には霧が立ち込め、まるで別世界に来たかのような気分。

     

    ツガタケ

    国内で富士山以外だとどこにあるの!?と思う程に、検索しても富士山での画像しか出てこない種です。

    オオカシワギタケとも呼ばれることがあります。本種は極めて美味な主として、観察会の方が激推ししていましたが、残念ながら私の舌では本種の魅力を感じ取れませんでした。うp主的には、歯切れは異様に良いと感じたものの、味は普通でした。

     

    ヌメリササタケ

    個人的に味噌汁に合うきのこの最上位と思っています。

    雨が続いたため、途轍もない粘液を滴りぶら下げています。図鑑で何度か似たような光景を見たことがありましたが、実際に見ると凄まじい迫力ですね。

    この強烈なヌメリはもう人間が掴めるものではないと言っても過言ではないレベルでした。

    ちなみに採取したところ、ヒダに付いていた微小なトビムシが驚いて逃げ、カサや柄の粘液に落ちて自滅してしまう光景が見られましたw

     

    シラガツバフウセンタケ

    これもまた高地のフウセンタケですね。ただカバノキ科樹下に発生する種ですが、コメツガやモミしか生えていない環境で確認したため、別種である可能性が高い、実際に複数種が含まれていると言われています。

     

    ゴヨウイグチ

    人生で初発見!!長年見てみたいなぁと思っていたイグチです。ゴヨウマツやハイマツなどの木と共生するので、当然ながらそれらの木が発生する森林限界付近でしか見られません。

    シロヌメリイグチだろうと思いましたが絶妙な違和感に気づき、裏を見てみるとチチアワタケ感のある姿が!

    一瞬でゴヨウイグチだ!と分かりました。

    ネットで見た画像のままですね。正に(チチアワタケ+シロヌメリイグチ)÷2と言った姿をしています。

     

    もうカラマツチチタケとアミハナイグチは落ち葉レベルで生えていますw

     

    クマシメジ

    2022年10月にメインフィールドで謎に1本だけ生えていたものを撮影、その後図鑑に追加していたと思います。

    1個体のみで寂しいページだったのでいい感じに群生している画像を追加できて光栄です。

     

    シロフクロタケ

    遠くから見た時は亜高山帯にシロタマゴテングタケ?と思いましたがヒダの色を見て納得。

    フクロタケ属はなかなか見たことがなかったので嬉しい撮影です。

     

    コゲエノヘラタケ

    富士山に行く時は毎回見れています。

    食毒不明ですがどうせ無毒だろと思い食べたことがあります。無論問題はなかったのですが、意外とコリコリしていて美味しかった記憶があります。

    今回は収穫しませんでしたが。

     

    オウバイタケ

    これこそまさに私が富士山で本当に撮影したかった種と言っても過言ではないでしょう。

    欲を言えばコウバイタケも見つかって欲しかった。ですが十分満足です。

    まだきのこの図鑑を作ろうだなんて思っていなかった4年以上前に、何度も富士山で目撃していました。当然撮影はほとんどせず。図鑑を作ろうと思い始めてから、去年、一昨年は見つけられず。

    今年は潤いに潤った個体が何本も見つかるものですから興奮なんて物じゃないですよw

     

    寒冷地に多い種なので地元ではまず見られない点もより感動を増幅させます。

     

    スミゾメシメジ

    またもや美味しいきのこですよ。この株以外は見つかりませんでしたが。華奢で、黒変性を持つやや不気味な見た目とは裏腹に、しっかりとホンシメジやハタケシメジなどのシメジ属が持つ独特の香りがあり、味、歯切れと共に最高水準です。

     

    ズキンタケ

    雨で潤いプルンプルンです。それにしてもズキンタケは本当にグミのような見た目ですよね。そのままパクっといってしまいそうです。低地の公園で偶に見かける華奢なものとは比べ物にならないほど分厚く、そして大きい。何より量が凄まじかったです。

     

    この黄色いものは全てズキンタケの群落ですw

    生えすぎでしょw 4合目からはほぼ永遠に見つかりました。落ち葉レベルでどこにでも生えていましたw

    これだけあるなら食べてみようかなと思いましたが、仲良く群れで生えている様子が美しく、採取するのは何となく可哀想に感じ、収穫はしませんでした。

     

    ジンガサドクフウセンタケ

    フウセンタケ属最強と言われる毒菌です。日本での中毒事例はないようですがヨーロッパなどでは恐れられているとかないとか。

     

    ショウゲンジ

    8月に見られるのは富士山ならではなのではないでしょうか。よほどの高地ではない限り9月以降でないと見られないでしょう。

    身が硬く締まり、丁度よい幼菌が多く、当然ながら収穫。

     

    アイシメジ

    超絶久しぶりに見たと思います。シモフリシメジ+シモコシと言った姿をしている通り美味なので収穫。低地の雑木林でも見られるそうですが私は富士山と山梨県某所の高原でしか見たことがありません。

     

    タンポタケ

    ツチダンゴ系の地下性菌から発生するトリポクラジウム属の冬虫夏草は人生で初めて見ました。常緑樹林に多そうなイメージでしたが富士山などでの針葉樹林でも見つかることは知っていたのでワンチャンあるかな?と思っていたら本当に見つけました。

    まず何より、でけぇ! 人生で見た冬虫夏草の中でずば抜けて巨大です。普通に10cm近くあります。地下性菌から生えるので、菌性虫草とも呼ばれますが、こんなにもデカいとは… 

    宿主は恐らくアミメツチダンゴと思われます(2枚目の右側の膨らみ)。こうしてみると子実体は宿主の約10個分の長さですねw 

    菌性虫草ってこんなにデカいんか!?と思いましたが調べてみるとタンポタケだけが異様に巨大なようです。ハナヤスリタケや広東虫草などは子実体も宿主も本種より圧倒的に小さいようですね。

     

    ニカワハリタケ

    これも発生量が凄まじく、落ちている枝を見れば5枝に1枝ぐらいの確率でニカワハリタケが付いているというとんでもない状況。

    全身が透明感のある純白で本当に癒されますね。裏側は針状なので触り心地も良いですし。

     

    ナラタケ

    流石高地と言ったところです。地元なら10月以降でないと見られないので今年は一足早くナラタケを味わえました。

    と言いつつも、例年では地元で9月上旬に大爆発するナラタケモドキの方を先に味わい、その1か月後にナラタケを味わうスタイルだったので今年はそれが逆転しました。

     

    キナメアシタケ

    今回の探索で見たかったクヌギタケ属の1つです。見たかったきのこが結構見つかってますね。

    夢を叶える日ですか?と思う程ですw

    ナメアシタケの方は見たことがありますが本種は今回で初発見となりました。

    全身が落ち着いたレモンイエローで、ただでさえ繊細で色とりどりなクヌギタケ属の中もトップクラスで好きな種です。

     

    サナギタケ

    富士山で見つかるかもしれないと思っていた冬虫夏草はタンポタケと本種でした。見事に両方見つかりましたw

    冬虫夏草の中では代表的な種ですが、案外高緯度地域に多いようですね。思った以上に小さかったものの、図鑑でよく寄生されているタイプの蛾の蛹がしっかりと出てきました。ぱっと見1本の子実体に見えましたが掘り進めるともう1本が出てきてギロチンしないかヒヤリとしました。

     

    ドクツルタケ

    ここに来て世界最強レベルの猛毒きのこです。高地の針葉樹林で見られる大型で純白の姿は正に真のドクツルタケと言っていいでしょう。低地で見られる細い個体とは全く違います。

    それにしても美しい…汚れを知らない純白で清楚な姿はまさに天使ですね。

    この超有名な最強猛毒種は図鑑に未掲載だったので、今回の撮影を機に追加できますね!

    今年は有名なものの、画像を持っておらず図鑑に掲載できていなかった種を多く追加できそうです!

     

    アブラシメジモドキ

    1本でも食べれば絶命する猛毒種の後は超美味種の登場。味、食感はヌメリササタケと全く同じですが、まさにきのこって感じの色合いですよね。

    富士山で何回か見たことがありますが、発生量は少なく感じ、やや貴重なイメージなの喜んで採取。

     

    ミヤママスタケ

    サルノコシカケ系の漢方薬としての用途は置いておいて、食べられる硬質菌と言ったらまぁ本種が含まれるアイカワタケ属ぐらいしかないでしょう。

    漢字で書くと鱒茸。鱒の切り身のような見た目が和名の由来ですが、見た目だけでなく、味までも鮭や鱒に似ていると感じます。

    特に幼菌の天ぷらは完全に鮭ですw 私の舌ではほぼ区別が付かないレベルでした。

    当然、富士山でしか見たことがなく、今回も喜んで収穫…しようとしたところ…

     

    うそやろwww

    何と言う発生量!?えっ、ヒイロタケとかじゃないよね?ミヤママスタケだよね?

    これは笑うしかありませんでした。少し遠くに不自然と言えるほどにオレンジ色の物体が見えたので、まさか…と思い見てみると図鑑でも見たことのないレベルの超大群生ですよ!

    しかも全てが食べごろの幼菌です。なんだこの天国みたいな空間は…

    こんなの採取しない手なんてないに決まっています。紙袋が本種だけでパンパンになるほど、そしてその紙袋も2枚になるレベルでの大収穫でした。

     

     

    ホソバミズゴケ

    もうねぇ…きのこだけでなくずっと見てみたかった苔までも見られるなんて…

    完全に夢を叶える探索ですね。

    野生のミズゴケなんて初めて見ましたよ。最初は異様に緑が鮮やかなコケが群生しているな~と思いましたが普段のシノブゴケなどとは何か違う。近づいてみてみるとファッ!?

    ミズゴケやないかい!!! まじか!? こんな生えているのか!?

    ぎっしりと、何本も密生して緑の絨毯を作っています。他の苔とはまるで違う雰囲気。そして触ると感じる潤い。これが天然のミズゴケか…

    何年も前から、寒冷地を訪れる度に探し求めてきた苔が遂に見つかりました。

    感動なんて物じゃ収まり切りません。

     

    Scutellinia sp

    本当に夢を叶える探索です。富士山でもアラゲコベニチャワンタケ属のサンプルを採取したいなと思っていました。開始早々アラゲコベニチャワンタケ属が好みそうな湿った朽木が沢山見られ、手抜きせずに探していましたが、意外と見つからず、心配でしたが3合目で遂に発見!!

    恐らく、7月に山梨県の高原で見つけた個体と同じ種だと思われます。

     

    またあったーーー!って生えすぎw

    少し進んだところでモミの倒木を発見。ワンチャンと思い裏側を見るとそこにはとんでもない大群生でした。恐らく3桁は生えていました。

    先程の個体とは別種だと感じましたが詳細は近い未来。

    そしてアラゲコベニチャワンタケ属が生える朽木の特徴も掴めてきた気がします。ある程度樹皮が残っている朽木の方が生えていることが多く感じました。この先探す際に役に立つかもしれません。

     

    チチタケ

    一見、掃いて捨てるほど見られたカラマツチチタケと似ていますが微妙な違いに気づき、見てみたところチチタケでした。

    広葉樹林のイメージが強いですが、流石は富士山。コメツガやモミなどの針葉樹林でもしっかりと見つかります。

     

    ヒロハチチタケ

    無印のチチタケがあるならヒロハもと思っていたらすぐに見つかりました。本種にしては大きく、シロハツモドキレベルの大きさがありなかなか迫力がありました。

     

    ハミズゴケ

    配偶体(葉)が退化し、胞子体が目立つタイプの変わり者です。先月、ツノゴケだと思い喜んでいましたが、後に本種だと判明。

    ツノゴケは人生を60年近く歩んでいる部活の顧問が未だに見たことのない苔として、是非見つけてほしいと部員や生物選択者に言っていました。普通にその辺で見つかりそうだけどなぁと思っていた物のいざ探すと気配すら掴めず。捜索開始から2か月ほど経過していますが見つかる気がしません。

     

    と、言う訳で心行くまできのこを撮影できました。確実に過去最大の大収穫でしたね(笑)

    それにミズゴケまで… 運を使い切ったかもしれない…

     

     

  • 富士山紀行1

    気づいたら8月も残り1週間…

    どうしてこうなった…と思う程に早く感じましたね。8月入ってからは神速でしたね。

    夏休みがあと数日しかないなんて!?

     

    いやぁ7月の、夏休みに入ったばかりの日と現在である夏休み終盤、8月下旬は同じ夏休みとは思えませんよね。心の余裕は大いに違いますし気候も少々、今の方が過ごしにくく感じますし。

    ただ夏休み初日を思い出すと、1か月と数日しか経過していないものの、半年ぐらい前の記憶に感じます。なので短く感じたと言うよりかは長く感じたのかな?

     

    それは置いておいて、今回は富士山での探索です。毎年夏に訪れますが、ここ数年は思う程きのこを見ることができず、いい感じでタイミングを逃していたなぁと思う年が続きました。

    去年、一昨年の経験から初夏~夏にかけて訪れても、よほど雨が降った日でない限り、魅力的な夏のきのこも見られないと感じました。なので今回は晩夏に訪れた方が、秋のきのこも見つかるかもしれないと思い、夏休み終盤に富士山へ行きました。

     

    実際、3年前は8月23日に訪れたのですが、ハナイグチやショウゲンジなど、秋が旬のきのこも一定量見られました。

     

    というわけで山梨県側の5合目からスタートし、きのこを探しながら3合目まで下っていくスタイルで行きます。

    今回は3日前から降水が続き、当日も霧雨+濃霧と言った悪天候での探索となりました。

    ただタイトルが富士山紀行1である時点でお察しですよね。

     

    とんっでもない収穫でした。

     

    1では5合目の森林限界寸前での収穫を報告したいと思います。

     

    ケコガサタケ属

    地元ではあまり見ない雰囲気に感じました。 

     

    チチタケ属

    乳液に辛味はなく、変色性もありません。そしてカサは強烈な粘性を持ちます。

     

    アケボノアワタケ

    個人的に、名前にアワタケが入るきのこの中で最も上品な見た目をしています。加えて亜高山帯でしか見たことがありません。まさに曙色で、緑色の苔の中だと落ち着いた色合いがより際立ちますね。

    それに対し、根本は目が覚める程に鮮やかな黄色なのも素晴らしい。

     

    カラマツチチタケ

    本種はかなり多く見られました。

    雨に濡れ、カサの特徴が分かりずらい個体が多かったのが残念でしたが。ビビットなオレンジ色で美味しそうですが、残念ながら辛味があり、食べられないようです。

     

    ハナオチバタケ

    とにかく凄まじい量でした。登山道脇に落ち葉溜まりが定期的に現れますが、本種が生えていない落ち葉溜まりを見つける方が難しいレベル。

    1つの群落で間違いなく3桁は生えていました。

     

    今回視界に入ったものを全て数えれば軽く4桁にはなると思います。これだけあるなら今年全世界で発生したハナオチバタケの褐色型と紅色型の個体数にかなりの差が生まれる説。

     

    ヤマイグチ

    寒冷地のイグチと言ったらまさにヤマイグチですよね。低地でも見られるスミゾメヤマイグチと比べると、明らかに大きく立派な見た目をしています。

     

    シロヌメリイグチ

    5合目付近では本種も多く見られました。普段は3株ほど見つけるだけですが、今回は歩けば勝手に見つかるレベルで生えているので丁度良い幼菌だけを厳選して収穫できました。

     

    アミハナイグチ

    5~3合目まで、どこにでもありました。イグチとは思えない程に群生していました。

     

    アシボソムラサキハツ

    個人的に富士山で見てみたかったベニタケ属1位!

    7年前に一度見つけ、またお会いしたいなぁと思っていましたが、それ以降見つけられず。

    こんなにきのこが多いなら今回ワンチャンあるくね?と思っていたらビンゴ!

     

    まさに針葉樹林のベニタケって感じの見た目で、赤系ベニタケ属の中では明らかに高貴な雰囲気に感じます。

     

    ベニヒガサ

    ヌメリガサ科も見られ、本当に幸せです。少々古いのが残念でしたが、周囲の苔の美しさも相まってより幻想的。

     

    アンズタケ

    毎年同じような場所で見つけています。

    カメラの彩度設定を上げ過ぎたので異様にビビッドに映ってしまいましたw

     

    スバルラインの壁の割れ目からも生えているという狂気の沙汰。

    ササタケかな?あまり観察できず、軽く撮影しただけでした。

     

    と言う訳で5合目付近の時点できのこ大爆発でした。

    2では4~3合目のきのこをまとめようと思いますが、とんでもない量になるので覚悟?していてください(笑)

    単純に記事を書いている時にこの辺でうp主が付かれたので、今回はここで離脱とします。

  • カメムシ大量死

    おはようございます。

    8月18日…完全に夏休みの終焉が見えてきましたね…

    いやぁ早すぎますね(去年も言ってた)

    4週間ってこんなに早かったっけ!?と思うほどに、本日で夏休みが開始してから1ヶ月も経過してしまっています。

    当時に戻れたなら無双するでしょう(笑)

     

    今回もまた、いつもと同じようなフィールドでの探索ですが、一味違うフィールドへ

    いつものメインフィールドよりも15kmほど西側に連なる山々へ行ってきました。

    元々、個人的に縁のある山があるポイントだったので、久し振りに登ろうかな、と言った気分で訪れたのでメインは登山でしたが、思った以上に魅力的なフィールドでした。

     

    特に6、7月に訪れたら凄まじかっただろうと思いました。

    フィールドはこのような雰囲気で、普段のスギ、ヒノキ林と異なり、常緑高木が多め。そして沢が流れています。

     

    まぁまずは登山をし、その後下りながら探索をしていきます。

    ハリガネオチバタケ

    ミツバアケビ

    天然のアケビの実は初めて見ました。これは秋に採取しない手はない。更にアケビタケも生える可能性がありますからね。

    カメムシタケ

    山頂まで行ったものの、メマトイの量が凄まじく、更にどんよりとした空模様で山頂からの眺めは大したことはなく。

    下山し、探索をするとすぐに見つかりました。

    軽く50mほどの距離を見ただけですが…

     

    とにかく多い!

    もう足の踏み場がないほどにカメムシタケが発生しています。

    ツクツクボウシタケやハナサナギタケなどの比較的普通種の冬虫夏草が大発生した的な話はネットで聞いたことがありますが、こんな感じなのか🤔

     

    こんだけカメムシタケがあるなら他の冬虫夏草もあるだろうと思いましたが、信じられない程にカメムシタケしか見つかりません。

    それも全てO,nutansです。

    それどころか、冬虫夏草に限らず、カメムシタケ以外の菌類が全く見当たりません(笑)

    これは2ヶ月前に行ったら他の冬虫夏草も見つかったでしょう。

    3日後、特に予定のある日ではなかったので、本格的な調査を兼ねて、また訪れました。

    いきなり路上にカブトムシがいましたが、部活動中に見つからなくて、彼は幸運だったと思いますw(標本にされる)

    近くのクヌギに置いてあげました。

    ハナサナギタケ

    本格的に、カメムシタケを無視して探すと、予想通り見つかった普通種。普通種と言っていますが、貴重な冬虫夏草なので、割愛はしません。

    相変わらずカメムシタケはどこにでもあります(笑)

    ホソエノアカクビオレタケ

    ようやく、予想通り?でやや珍しいと言える冬虫夏草が見つかりました。

    ピンボケですね。いやぁ、マクロレンズでも捉えきれないレベルで小さいんですよ。指と比較してこの大きさ。よく見つけたなぁと思いました。

    周囲のコケに胞子体があったら確実に見落としていたと思います。

    ギロチンせずに掘り出すことに成功したので、サンプルとして持ち帰りました。小ささもそうですが、信じられない細さですよ。

     

    あっ、宿主を言い忘れましたね。宿主は恐らくハエ目の幼虫です。苔むした朽木から出ているように見えますが生えていたのは苔むした岩でした。なので一見、冬虫夏草かどうかを疑いましたが、しっかりとクビオレタケの形をしており(極めて小さいが)採取したところ生きている半透明の幼虫が周囲から出現し、彼らが宿主だと確信しました

     

    それにしてもここまで小さいとは…

  • 灼熱の野外活動🔥

    2日連続探索です。

    今回はタイトルからも分かる通り、野外活動、学校の部活動です。

    毎月1回は野外活動がある生物系の部活なので、先月はホタル&合宿、先々月は干潟などのように毎月どこかしら希望する部員は行くのですが、今月は偶々、私のメインフィールドに近い地域での活動となりました。

    と言うのも、ある博物館が毎月11日に同じ場所で林内における植物の発生状況調査を行っているらしく、顧問がその博物館の職員と知り合いだったため、部活動として部員たちも参加させて頂くことになりました。

     

    ここ2か月ほどの野外活動は干潟に行ったり、夜間の活動だったり、合宿だったりと、部員ほぼ全員が来るような活動でした。秋冬にどこかの自然公園に行くような時は少な目ですが。

    今回も、調査の後は川で遊ぶ予定になっていたのでそこそこ多くの部員が来るかと思っていましたが、帰省中の生徒が多いのか、前日の時点で4人しか参加しないこととなっていました。

    少ないなぁと顧問もため息の様子。

     

    そして当日。まさかの集合時間に集合場所に来た部員はまさかの私1人!?

    他3人が全員寝坊したらしく、私+顧問×2で一旦出発することになりました。まぁこの部活では、遅れた場合置いていくのが鉄則?となっているのでね。

    だとしても驚きました。

    確かに普段からよく来るような人が全員帰省中で行けないと言っていましたが…

     

    部員が1人というのは前代未聞だそうですw

    まぁとりあえず博物館の方々と調査。

    植物(草本類)の開花状態の調査でしたが、特に撮影するような時間もなく、私は軽くきのこを撮影しただけでした(きのこ以外も撮影せい)

    フクロツチガキ カタツムリを添えて

    オオトリノフンダマシ(蜘蛛)

    ホオベニシロアシイグチ

    ノウタケ

    カエンタケ

    最初に注意として、カエンタケが至る所に発生していると喚起がありましたが、枯れたクヌギ、コナラの根本ならもう100%レベルで見つかりました。

    そして腐ったカエンタケはどのようなものなのかと気になっていましたが、普通にカビが生え、ショボショボになっている感じでした。

    見つかります見つかります。

    1日でここまで多くのカエンタケが見つかるとは…

    博物館の方も、今年は発生が早いと仰っていましたが、7月に見つかったりと、確かに早く感じます。

    7月以前に6月にも見つけましたからね。

    ウラベニガサ科

     

    観察後は周辺の河原で自由に遊ぶらしいので、一応タックルも軽く持って来ていました。

    ただお盆休みということもあり、河原の人口密度は豊島区レベル(笑)

    至る所で人々が遊泳したりし、明確に遊泳禁止と書かれている堰ですら大量の人が浸かっています。

     

    唯一誰も泳いでいない場所があったので軽くスプーンを投げました。

    カワムツ

    3投連続できました(笑)

    上流で人々が泳ぎまくっている影響で調布市の多摩川くらい濁っています。(普段はかなり綺麗)

    そのためプレッシャーが低かったのでしょうね。

    しかし全く日陰のないポイントで投げ続けているため10分程度で身の危機を感じ、撤退。

    するとすぐに、私が投げていたポイントで泳ぎ出す人々が出現。

     

    その後、寝坊したという部員が2人来ました。1人減っていましたが。

    部活動としての野外活動は植物の調査がメインだったので、君たちは部活動外の遊びに来ただけだと顧問から言われていましたw

     

    そして予定の解散時間から1時間ほど前に、彼らは来たため、顧問と私が解散した後も、暫く川で泳いでいたそうです。

     

    後日談

    入浴中に、左腿付近に何か異物が付着していることに気づきました。

    この時点でもう何なのか大体分かりますねw

     

    はいマダニですw

    うそやろ!!もう人生で3回目なんですけど..と思いましたよ。

    これに関しては、驚くほかありませんでした。ただの自然公園のような場所で緑地を歩いていただけでしたから。

    普段なんて野生動物がいたるところにいるじめっとした沢沿いで探索しているので。そこでマダニに刺されたことなんて1度もなかったのに…捕まえたことはありますが。

     

    確かに前日は道なき沢沿いをゴリ押して探索していたのでそこで刺された可能性もありますが、なら前日に気づいているはずです。意識せずとも見える位置を刺していたため、前日の入浴中に気づかないはずがありません。

     

    ちなみに今回探索した山は某登山系アニメで主人公たちが第1話で登った低山です。(195m)

    歩けばすぐに市街地に着きます。そんな所で刺されるとは…

    吸血中のマダニに塩を盛り、窒息させて向こうから出てきてもらいました。と言っても、苦しくなり少し手前へ出てきたまだにをピンセットで摘出した感じですが。

    大きさは5mm

    吸血前は恐らく2mm程度だったのでしょうか。

    そして埼玉県なので、メインフィールドで何回か捕獲したことのあるタネガタマダニ、ヤマトマダニらへんかと思っていたのですが、どうもタカサゴキララマダニとしか思えないんですよね…

    何がやばいかって、普段捕獲する種は致死率30%のSFTSを媒介しませんが、タカサゴキララマダニは日本のマダニの中でSFTSの媒介率が最も高いと言われているんですよ。

    本来は西日本に多い種なので大丈夫だろうと思っていましたが埼玉で刺されるとは…

    某生物系youtuber風に言うと、これから2週間、ドキドキタイム(潜伏期間)ですw

  • 成功した?新規開拓

    8月に入ってからもう2回目の土曜日ですね💦

    早すぎます。本当は前回の投稿から今日までにどこか探索にでも行けたらと思っていましたが、予想以上に忙しく(野暮用)断念。

    今日明日はいい感じで時間が取れたので探索へGO!

     今回も前回と同様で沢沿いのスギ、ヒノキが多い植林地ですが、新規開拓です。

    去年の同時期、メインフィールドの西側で単純な登山をしていた際に、いい感じの沢を見つけました。当時は別で目的地があったのでスルーしましたが、水源近くの割に水量が多く、ヌメリガサ科やら虫草やら色々と多そうだなぁと感じました。

     その後特に思い出すこともなく、時は流れ、ほぼ1年後。明日はどこか探索に行こうかな~

    どこに行こうかな~ と考えていたところ、唐突にその沢のことを思い出し、今回新規開拓として訪れることに決定。

     

    そして今回の探索では、例の沢は確実にメインフィールド周辺の川へ合流すると踏んで、少々危ないことをします。それは登山道から外れて沢を下りながらきのこを探し、山の麓まで行くという、もし途中で熊に襲われた場合、○体すら発見されないレベルで危険です。

     

     

    ハチノヒメサナギタケモドキ

    あっさり冬虫夏草が見つかりました。去年の7月下旬にメインフィールドで初発見しました。

    拡大するとカエンタケ感がありますw

    アケボノオシロイタケ

    メインフィールドでもお馴染みの硬質菌。

    絶対にあるだろうなと思っていたので的中!

    個人的に上手く撮れた超お気に入りの一枚。

    ヒメシロウテナタケ

    湿った斜面ならどこでもあると言っても過言ではありませんが、改めて撮影するとより魅力的に感じるものですね。

    ヒナノヒガサ

    湿度の高いコケがあるフィールドなら毎回の如く見つかりますが物凄く久し振りに撮影した感があります。

    シュイロガサ

    また見つかりましたねぇ🙃

    やはり今年の夏はシュイロガサの当たり年?

    合宿での個体に比べるとやや劣りますが、そ!でも過去TOPレベルで完璧に近い状態でした。

    これは図鑑の画像貼り替え確定ですね。

     

    魅力的な沢でしたが、時期もあってか、大量と言えるような収穫ではありませんでしたが、こんな感じで沢の探索は終了。

    途中で事故もなく、麓まで沢を下れましたが、

    ゆったりときのこを撮影しながらでも3時間ほどで沢の終点まで行けました。

    麓に到着したと言っても、予想とは全く違う場所に到着しましたが(笑)

    3時間で下り終え、全然時間が余っているので、フィールドを変更。

    そのままいつもの植林地に行く手もありましたが、顔の周りに集まってくるコバエ(メマトイ)があまりにもひどかったので、メマトイが少なめの場所へ移動。

    先月、復帰後最初の探索でタマゴタケ等々を撮影した公園ですね。

    ツクツクボウシタケ

    やはり普通の担子菌類はほぼ枯れていましたが、やや湿った地面で、本種は見つかりました。

    油断していましたが、予想以上に土が硬く、そして宿主までの地下部の長さが平均的な個体よりも明らかに長かったため、採取は困難を極めましたが、なんとかギロチンせずに発掘成功。

     

    8月も残り僅かですね。丁度本日が夏休みの中間地点です。残りの時間は有意義な時間にしたいものです。

  • 端境期

    夏休みは偉大だぁ…ってもう8月じゃないですか!?

    8月になるだけで一気に虚無感がこみ上げてきますね..

    つい先日まで7月でしたが。やはり夏休みは、始まると薄々近づいてくる最終日、始業式に対する恐怖に付きまとわれてしまいますね。

    結局、夏休みの2週間ほど前が最も幸せな時期ではないでしょうか。

     

     先月はまさにきのこ大爆発中!と言ったくらい、あらゆるフィールドで、降水がほぼなくてもある程度の収穫が期待できる夏菌の最盛期だったと感じます。

    毎年8月に入ると、降水しても気温が下がるどころか上がり、暫くはきのこがほとんど見られない状況になってしまいますね。

     今、8月上旬はまさにその”端境期”で、普通の雑木林での外生菌根菌は全く期待できないタイミング。そういったフィールドに行ってもカラッカラな地面があるだけです。

    8月最初の探索は、降水の影響を無視できるようなメインフィールドの沢沿いを中心に行ってきました。

    と言っても、先月、先々月に比べると明らかに発生は劣り、収穫も少な目でしたが。

     

    ハナサナギタケ

    シュイロガサ

    カサの直径が約6cmと、シュイロガサ、アカヤマタケ属とは思えない程巨大だったため一見、アンズタケに見えました。スギ林にアンズタケ!?と驚きましたw

    Metarhizium cylindrosporum…的な昆虫病原菌。

    セミの成虫から発生する菌を見ると、夏も終わりに近づいてきたなぁ…と悲しくなります。

    マダニ(タネガタマダニか?)

    普通にシダの表面で静止していました。

    5月以降、気を付ける程見なくなってきたなぁと思っていましたが危うく体に付着されるところだった。

    シュイロガサ

    合宿の時にも極めて状態の良い本種を確認しましたがそれを上回る理想的な幼菌に出会えるとは….

    シュイロガサならではの束生を初めて見られました。それも売っているエノキのような生え方。

    今年の8月はシュイロガサの当たり年なのか?と思い進んでいくと…

    でかっ!?

    うそやろ!?と思わず声を出すほどに巨大ですw

    柄の長さが10cm近くいんですよ。もはやヌメリガサ科アカヤマタケ属に見えませんw

    普通に疑いました。イッポンシメジ属とかではないかと。ですが根本にある幼菌は完全にシュイロガサですし。

    成菌の外見もサイズを除けば本種と一致しますし。こんなにも巨大化することがあるんですね。梅雨の雑木林で多く見られるツルタケくらいのサイズ感でした。

    幼菌です。状態が良すぎません?

    まさにシュイロガサ!と言った最高の状態です。

    そして周囲には、何本ものシュイロガサと思われる腐ったきのこが多数。

    これは4日ほど早く来ていたらやばかったのではと思いました。

     

    そんな感じで今回の探索は終了です(短っ)

    とにかくきのこは少ないです。完全に端境期に入ったなと感じます。どこかで、最高気温が20℃台になる日が数日続けば一気に生えてくると思われますが今の所8月上旬は厳しそうです。

     

  • 合宿でもきのこを探すようです2

    合宿2日目(最終日)になりました。

    早速4時に起床し、日の出を見に行きましたが、一番早起きを進めていた顧問は、生徒を寝かすため深夜1時まで起きていたようで(結局一部生徒は3時に就寝)少々遅く起きたようです。

    私は4時起きなど余裕(笑)なはずなので、まぁ寝坊はしませんでした。

    青梅市から都心方面を見下ろす。

    太陽が出てくる方向は雲が多く、完璧な日の出ではありませんでしたが、普段はなかなか見ることのない、二次元のような写真を撮影できました。

    Vlogcamのレンズが万能すぎます。

     

    その後一旦宿に戻り、二度寝(笑)

    6時から昨夜仕掛けた落とし穴トラップを確認しに行きましたが、ゴミムシダマシが1匹入っただけでマイマイカブリ等はかすりもしませんでした。

     

    朝食を済ませ、2日目の活動です。と言っても、昨日とほぼ同じような登山ですが。

    ただ1日目の山に比べると、沢があるわけではなく、乾燥しているので期待値は低めでした。

    ですが意外と多かったかな?と感じました。

    ザラツキキヤマタケ

    10月に撮影したものを図鑑に載せていますが、その時も青梅市での発見でした。

    日本語サイトではあまりに情報が少なく、正確性に欠けますが、ザラツキキヤマタケで合っている自身があります。

    アカイボカサタケ

    昨日はキイボ、ダイダイが見つかり、今回でアカも見つかったので、シロも見つけイボカサ4兄弟を合宿でコンプリートしたかったのですが、シロイボカサタケは見つかりませんでした。

    フモトニガイグチ

    一見、ススケヤマドリタケを期待しましたが、裏を見て少々がっかり。

    ただフモトニガイグチは初撮影だったので十分満足ですけどね。

    コンイロイッポンシメジ

    スギ林に突然目が覚めるようなコットンブルーのきのこがあり、少々驚きましたが、ヒダの色を見て納得。イッポンシメジ属ならスギ林よく出ますからね。

    マツオウジ

    特有の爽やかな針葉樹の香りを友人にも嗅いでもらったが、特に何も感じなかったという。

     

    山頂

    ここは日の出町らしい。

     

    暑すぎるので、皆、意識を保つことに精一杯で下山。

    予定よりもかなり早く下山となったので、昼食時に利用する宿で1.5時間ほど涼んでいました。

     

    昼食を終えると、宿を後にし、2日間お世話になった山ともお別れ。

    ロープウェイで下山し、駅まで移動。

    最後に駅の前を流れる多摩川で遊ぶ時間が設けられましたが、激流過ぎるので泳ぐことは禁止。

    私は泳ぐ気はありませんでしたが。

    激流の浅瀬で、石をひっくり返しても、ヒゲナガカワトビケラくらいしか見つからないので、無理に日向にとどまらず、周囲の藪で少しきのこを探しました。

     

    アイバカラハツモドキ

    巨大なキチチタケのような雰囲気ですが、乳液が黄色く変色しない。

    予想以上に巨大だった。

    カメムシタケ(森林型)

    最後に冬虫夏草でも見つけたいなぁと思って集中していると、あっさりカメムシタケが見つかりました。

    環境的にO,asianaかと思いましたがO,nutansの方でした。

    今年はカメムシタケに恵まれている気がします。

     

    そんな感じで合宿は終了しました。

    後半は暑さに耐えることで精一杯レベルでしたが、多くの菌類、そして節足動物等を大勢で探し、知識を共有しあえた、充実した時間だったと感じました。

     

    これが最後の合宿だと考えると心が病みそうになりますが、楽しんだ者勝ち!

  • 合宿でもきのこを探すようです1

    7月も早いものでもう最終週ですね。

    現在、所謂夏休みと言った所ですが、夏休みの中でも7月が終わるまでの時間が一番楽しいと思います。

    8月にもなると、日照時間も徐々に短くなっていき、ただただ熱いだけの日々になってしまいますからね…

    それに比べ7月は、まだ梅雨の名残を感じられ、日照時間も1年の中で最も長いタイミングなのでね。

    まだ夏休みは始まったばっかり、と言う感覚でいられるのも7月中だけですし。

     

    7月28日、29日で東京都青梅市の方に学校の部活動の方で合宿に行ってきました。

    去年は三浦半島の方に行っていたのですが記事はありません。

    主に登山をし、多くの生命を学ぶことが目的の合宿ですが、何をメインに探すか、部員は1人1人決める必要があるようです。ちなみに部員は30人ほど

    まぁ、私はきのこになるよね、って話。

     

    カエンタケ

    いきなり最凶毒菌が見つかりましたw

    最近はどこにでもありすぎるのでそこまで驚くことではありませんでしたが。

    ウスタケ

    コウヤノマンネングサ

    日本最大の苔。顧問が、コウヤノマンネングサの生える場所があると仰っていたが、道路の横の湿った法面と言った、思った以上に人工的な場所に生えていて驚いた。

    スミゾメヤマイグチ

    コウモリタケ

    ニガイグチモドキ

    センボンイチメガサ

    人生で見たセンボンイチメガサ史上最も美形でしたが、宿泊中に冷蔵庫などが使えないので採取は断念。味噌汁で極めて美味なんですけどね。それ以前に夏に発生を確認できるとは。

    ヒノキゴケ

    ミズゴケには及びませんが、人生で見てみたかった苔の1つです。

    存在に気づき興奮したのは私と、顧問の知り合いである大学教授のみでしたが、価値が伝わってほしかった…

    山梨県の遠征ですら見つけられなかったレア苔が、あっさり青梅市に生えているなんて…

    シュイロガサ

    こんなにもみずみずしく、分厚いシュイロガサに出会えるなんて…

    青梅市の山に登ると聞いて、スギの植林地なんだろうなぁ、沢が近くにないならあまりないだろうなぁ、と思って舐めていたが、まさかのブナの原生林、そして水量豊富な沢が何本も流れているフィールドだったとは…

    この時点で相当にきのこが多いフィールドということに気づきました。

    ダイダイイボカサタケ

    地面から分かる通り、ブナ、ミズナラ、モミ、マツなどの混生林です。まさか部活の合宿で、スギ、ヒノキの植林地を超えた原生林まで登るとは思いませんでした。

    原生林と言っても、そこまでハードな登山ではなく、むしろ歩きやすい部類の登山でした。

    シロソウメンタケ

    キイボカサタケ

    ブナの原生林だけでなく、時々部分的にスギ、ヒノキなどのエリアもあって、魅力的でした。

    ただ自分のメインフィールドが霞んできそうなレベルできのこが多いので、ブナ林にしてはきのこが少ないっ!と自分に無理やり思い込ませていましたが。

    私は映っていませんが部員の方々は、こんな感じ。

    ハナオチバタケ

    個人的に過去topレベルで上手く撮れた。Vlogcamのクリエイティブルックを色々いじったので、全体的に彩度の高い画像となりましたが、常に彩度を高く設定すると、黄色やオレンジ系のきのこの写りがよくなります。

    フサヒメホウキタケ

    ニカワハリタケ

    スギ材から出ていました。メインフィールドはスギ林なので、ニカワハリタケも一応出ますが、スギから発生しているのは1cmどころか5mmにすら満たない極小サイズしか見てきませんでした。

    3cm超えの個体が10本近く、それもスギから出ているとは…

    どんどんメインフィールドが霞んでいく…

    青梅市と聞いて舐めていましたが、関東の奥入瀬と言われるほどの渓谷ということを後ほど知りました。そりゃきのこも多い訳だ。

    Scutellinia sp

    私はこの部活で、アラゲコベニチャワンタケ属の研究を行っているが、実際に生えている姿を初めてみた顧問は、その小ささに驚愕していた。

    Scutellinia sp

    新しく2サンプルも手に入ったのは極めて嬉しい。

    ヒロヒダタケモドキ

    タマゴタケ

    Ophiocordyceps asiana

    カメムシタケではあるが、これまでは森林型のO,nutansしか見たことがなく、草地型と呼ばれるO,asianaの方も見てみたいと、常々思っていました。

    遂に発見しました!全然草地ではない環境でしたが。

    一見ただのカメムシタケに見えたのですが、子実体が異様に小さく、結実部の形も何やら丸すぎる。そして掘ってみると、見事に宿主がヘリカメムシ属!

    念願のO,asianaを見つけ、撮影することに成功!

     

    そんな感じで青梅市とは思えない、原生林の登山道を楽しみ、1日目の日中の活動は終了。

     

    私はきのこばかり撮影していましたが、きのこ以外にも、多くの生物を採取、観察でき、全員が満足できた1日だったのではないでしょうか。

    以前、私のメインフィールドに同行した友人はナナフシ、シロスジカミキリ、ミヤマカラスアゲハ等、標本用に多く採取できたようです。

    また部屋の窓にチャイロスズメバチが集まって来て、それさえも捕まえて標本用に持ち帰ったもしていました。

     

    翌日はどうやら4時に起き、日の出を見に行くらしいので、早めに寝ておきます。 

    と言ったものの、夜風を浴びるついでに街頭周辺で昆虫採取も行ったところ、大量のシロスジカミキリが出現。さらにミヤマクワガタまで現れ、結局就寝は12時となりましたが。

  • 3連休最終日の記録です!

    日曜日はどこかしら釣行にでも行こうかなと思っていましたが、一日中大雨。なら近所の公園に探索にでも行けばいいかと思っていましたが、訳あって1日中家の中で過ごしていました。

    1日中家にいることは、私の中では珍しいことです。

    さて、今回3連休の最終日、7月15日は、元々山梨県(長野県)に遠征探索に行くプランを立てていました。1年前の同時期も同じような記事がありましたね。

    今回も当時の記事と同じ場所に行きます。新幹線でちゃちゃっとGO!

    1年前は長野県と言っていましたが、正確にはギリギリ山梨県になっていました。

    天気予報では1日中雨でしたが、いざ訪れると運良く予報ははずれ、殆ど曇り、むしろ晴れる時間帯もありました。日頃の行いが良いからでしょう。

     

    まずは森林ではなく、道路沿いにある神社を見ていきます。松の木が多く生えています。

    私が今回のフィールドを訪れる際は、まず最初にこの神社を見て、そこでの発生量で、メインの山での発生量の予測をする。そんなスタイルでした。去年の7月は全く生えていませんでしたが…

    タマゴタケ

    初手からタマゴタケの発見となりました。それも5本ほど生えていました。これは確実に期待できます。

    前々回くらいの探索ではタマゴタケの撮影ができることに大興奮の様子でしたが、今回はスマートにやったー程度。ですが、低地の個体に比べると、明らかに色が違いますよね。低地の個体はただただ赤い感じですが、上のような、寒冷地の個体は透き通って落ち着いた赤色をしてますね。そしてでかい。

    イボテングタケ

    これもまた夏の松林って感じのきのこですね。近所の公園でも見られますが、こちらの場所の方が綺麗に見えますね。

    イロガワリ

    イグチ系も出ていてとりあえず安心です。これなら山の方も期待できそうです。

    ジャガイモ感のある臭いがします。

     

    最初の神社で、割と良い、と言うか近年の探索の中ではずば抜けてきのこが多いので、期待値を爆上げし、山に向かいます。

    カメムシタケ

    山に入って最初に見つけたのが意外にも冬虫夏草。

    湿っていてなんとなく良さそうだな~と思った斜面を見ていると即座に発見。

    界隈では森林型と呼ばれるO,nutansの方ですね。草地型のO,asianaも見てみたところです。

     

    いきなり冬虫夏草なら、更に期待できる、そう思い進んでいきますが…

    意外とない

    絶対あるだろ~と何回も思い、探していきますが全く見つかりません。あれ?神社の発生量は何だったのか…

    ニカワホウキタケ

    と言いつつも、徐々に見つかってきました。

    ニカワホウキタケはこの後も多数の発生を確認できました。

    アオアシアセタケ

    根本が青味を帯びるやや珍しいアセタケ属です。初発見だったので嬉しかった。

    シビレタケ系とナラタケを足したような見た目をしていますね。

    晴れている日に撮影すれば最高でしたが、展望デッキ的な場所から訪れれば毎回牧場を撮影します。標高1000m超えの高原なので、夏でも涼しいのですが、近年は普通に暑いんですよね…

    ただ今回は曇りなのでいい感じに涼しく感じます。

    キリンタケ

    市場に出回る図鑑にはそれなりに載っていますが、私は今回で初発見となりました。

    ガンタケ感ありましたが全体的に灰茶色で、尖ったイボが付着します。

    コケイロサラタケ(モドキ)

    こちらも初見となります。「コケイロサラタケとされているものの相当数がコケイロサラタケモドキと考えられる」大手のwebきのこ図鑑経営者のページにそう書いてあったため、(モドキ)としました。サンプル採取し、胞子の構造を見るべきでした。

    ナメアシタケ

    クヌギタケ属の中では標高が高いフィールドでないとまず見られない種だと思っています。

    単生なのが惜しいですが、出会いに感謝し、撮影。9月にも撮影しましたけどね。

     

    割と見つかってるやないかい と思うかもしれませんが、歩行距離の割には全然少ない方です。

    これまでの経験上、最初の神社で多数の発生があれば、恐らく山に入ってからのこの時点で10種は掲載されているはずです。

    モミ、カラマツ、白樺の森林だとそもそも夏は秋ほどの発生がないのでしょうか。

    モモイロダクリオキン

    黄色いきのこの多いDacrymyces属の中では珍しく桃色。

    ガンタケ

    湿っていて多く生えていそうなのになぁ、と思って暫く歩いていると突然巨大なきのこが立ちふさがりました(笑)

    ここまで巨大なガンタケは初めて見ました。

    周囲の笹はクマザサです。その大きさがよく分かると思います。

    図鑑のためにツボなども見たいところでしたが、あまりに巨大で引っこ抜くのが勿体なかったのでそっとしておきました。

    アラゲコベニチャワンタケ属

    今回の探索では、何気にアラゲコベニチャワンタケ属のサンプル採取も結構期待していたので、無事に発見できて良かった。意外と見つからず、焦っていましたが、じっくりと探した甲斐があったと思います。普段、メインフィールドで見つける個体に比べると赤味が強く感じます。

    無事にサンプル採取をし、翌々日、PCRの実験に持ち込めたので、研究が進みそうです。

    ハナオチバタケ

    地元では褐色型ばかり見つかるので、ピンク型を見つけると嬉しくなります。

    ヒメコガサ

    緑色の苔で覆いつくされた倒木ではコンスタントに見つかりました。去年もこの遠征で見つけましたね。

    雨で増水気味ですが、渓谷沿いを探していきます。10m以上上を歩いても飛沫が飛んでくるので、普通に歩いているだけでも楽しめます。

    ミズベノクズダマタケ?

    ピンタケ的な感じで水没した木から発生する水中型のきのこだと思われますが詳細は不明。

    サンプル採取すればよかったと後悔。

    ワサビタケ

    2~3月に数回確認しましたが、味を確かめたことがなかったので今回は咀嚼。

    確かにワサビの如く辛いですが、ツチカブリ等と比べると全然マシな方ですかね。

    カラマツベニハナイグチ

    1本だけだったので、やはりカラマツ系のきのこは夏には秋ほど発生しないようですね。

    カラマツチチタケ

    またカラマツ林特有のきのこですがこちらも1本のみ。

    ウラグロニガイグチ

    毒だと言われることもあるが、食用と言われることもある。

    個人的に、ニセアシベニイグチと並んで毒菌説を信じています。

    仮に毒成分がなく、確実に食用だとしても食欲が沸く見た目ではありませんね。

    ヒメダクリオキン

    去年の6月に地元フィールドで確認して以来、また撮影したいと思っていたので撮影が叶った。

    タマゴタケ

    山を抜け、集落的な場所の芝生に数本出ていました。

    2枚目は背景の建物もいい感じにヨーロピアンで、セイヨウタマゴタケ感が漂いますね(笑)

    ここまでの感じで、森林の方は意外ときのこが少なく、開けた公園的な場所の方が多いのではないか?と思ってきました。

    そろそろ駅の方向に進み始めるべき時間となったので、今度は公園的な場所をメインに探します。

    チチタケ

    2021年7月11日に見つけたポイントに3年後訪れたら、見事に発見。それもでかい!

    周りを探すと案の定、ポンポン見つかります。

    久しぶりにチチタケの乳液を咀嚼しましたが、何とも言えない特有の風味が懐かしいですw

    3年ぶりのチチタケでしたのでね。

    これはうどん確定ですw

     

    そしてその後、最初に風景を撮影した牧場付近のモミの木が数本生える芝生エリアへ

     

    えぇーっと

    ここはヨーロッパですか?

    いいえ、山梨県です。

    見てくださいこの透き通るほど鮮やかなタマゴタケを いや、セイヨウタマゴタケと言っても過言ではないかもしれない。

    そして背景が牧場。どう見ても日本の風景ではないw

    もう低地のタマゴタケが科レベルで別種に思えますw こんなに美しいタマゴタケなんて初めて見ましたよ!(決して低地のタマゴタケを侮辱している訳ではありません)

    とりあえず虫食いも一切なく、完璧すぎます。

    先週の探索でタマゴタケを見ていなかったら大発狂だったんでしょうね。

    もう最後のタマゴタケに全て持っていかれましたw

    これはタマゴタケを図鑑に追加確定ですね!本当に来てよかった!

     

    そんな感じで今回の探索は終了です。

    前半の内容がほぼ飛びかけていますが、夏にこのフィールドを訪れた回では、過去最高の発見がありました。

    前回の収穫も含め、7月だけでも相当な数の種を図鑑に追加できると思われます。

     

    本当に楽しかった…

     

  • 3連休紀行1

     定期考査も終わり、ようやく平和な生活が戻ってきたタイミングでの3連休は激熱!

    当然ながらフィールドに行かないはずもなく、3連休初日は本格的な動画撮影をしに行きました。

    何気に、YouTubeの釣行動画が全く撮影できていない状況なので、半ば無理矢理撮影ですが、釣行動画と菌類動画をミックスした動画にする予定で、フィールドにgo! 

     

    まずはやや渓流感のある河川とその支流でカワムツ狙い。最初は2年前から巨大カワムツを多く確認し、釣行したいなと思っていた謎の激濁り水路に行きました。が、環境が変わったのか、稚魚が少し追ってくるだけ。

    唯一コバスが釣れました。恐らく人生で釣ったバスの中で最小サイズでしょう。

    それ以前にこの川にバスがいることが衝撃でしたが。

     その後本流で狙うも全くの無反応。

    2ヶ月前に訪れた際は大量に居たんですけどね…

    突然1匹釣れたもののあまりに釣れないので動画撮影を怠ってしまいました。

    その後、撮れ高を求め魚影のある支流へ移動。

    支流ではいい感じに釣れてまぁなかなかの撮れ高になったのでしょうか。

     そんな感じで釣行は一旦ここで終了。

    更に移動した水路でも釣れましたが、ここでは割愛します。

    お次はきのこです。

    コガネキヌカラカサタケ

    自然の切り株から発生する姿は初めて見ました。

    ツブカラカサタケ

    しれっと掲載してますが…思わず声が出るほど嬉しい発見となりました。と言うのも、私は今回のが初確認なんです。

    ウッドチップ等割と公園的な場所にも生えるようですが、1回も見たことがなかったのです。

    そしてハラタケ科愛好家である私からしたら、我が国でシロカラカサタケ属(Leucoagaricus)の代表格である本種は是非とも撮影したかった!

    幼菌は割とナカグロモリノカサ感があり、成菌はキツネノカラカサ感がありますね。

    こうして見ると結構毒々しいですね。

    特に幼菌のカサ。黒褐色の鱗片が密生し、ザラエノハラタケ、ナカグロモリノカサ感がありますが、それらよりも黒黒とし、ひび割れ感が緻密ですね。そして所々赤い。少なくとも私はこの見た目で食べようなんて思えませんね。

    あっ、言い遅れましたが毒成分を含む種です。

    ハタケキノコ

    ツブカラカサタケと同じウッドチップに大群生でした。

    ヤマジノカレバタケ

    夏~秋の雑木林ならいとも簡単に見つかりますが全く撮影をしてこなかったので図鑑用にじっくり撮影することができた。

    キニガイグチ

    今回の常緑樹林内では掃いて捨てるほど生えていました。食べられると言うが、食欲が沸く雰囲気ではないですね(笑)

    クロヒメカラカサタケ

    ハラタケ科愛好家(笑)である私からしたら、迫力のある夏きのこで賑わう時でも、小型のハラタケ科があるとかなり嬉しいです。

    ヤマブキウラベニガサ

    道路脇の日差し照り照りのウッドチップに発生。こんなに乾燥した場所に生えているということは相当雨が降り、きのこの生育に適したタイミングだったのでしょうね。

    ビビッドな黄色が上手く撮れず、少々後悔。

    ハナオチバタケ

    褐色型とピンク型両方を撮影できた。流石に混生はなかったですが。

     

    その後も雑木林を転々としたが特に収穫はなく、目の周りに寄ってくるコバエがあまりにも不快すぎて撤退。

    その周辺の川でもそこそこカワムツが釣れたのでよしとしましょう。