タイトルからも分かる通り、唐突な山梨県紀行です。
と言っても、7月に訪れたような高原ではなく、都心からも中央本線でサラっと行けるようなエリア、正確な場所は言えませんが、大月~甲州あたりにほぼ思い付きで行ってきた記録となります。
さて、菌類探索では一切訪れたことのない山梨県のエリアに思い付きで来たものですが、理由としては単純に、「夏休みの渓流釣り遠征で訪れたこの周辺の山々はきのこが多そうだな~」などと言ったことがあったからです。
加えて、私がしているアラゲコベニチャワンタケ属の研究は絶賛進行中であり、確実にサンプル採取をすることが必要でした。8月はメインフィールド周辺では全く見つけられず採取もできておらず、先週ようやく採取できたのですが、更にサンプルが必要なので、確実に生えているだろうと思う環境が多く感じたからですね。
そして更にもう一つ、今回のエリアに訪れたかった理由がありますが後ほど。
と言った形で、急遽山梨県の初場所へ行ってきました。
とはいえ初場所なので、ストリートビューなどを見て選んだ適当な山に入ってみました。
環境としては、まさに外生菌根菌が好む、ブナ、ミズナラ、アカマツなどが混在する雑木林!
ウラベニホテイシメジやクリフウセンタケ、サクラシメジなどの極めて美味な食用菌が好む環境です。私のメインフィールドで雑木林と言ったら、クヌギ、コナラ、シイ、カシなどの混生林なので、同じ広葉樹でも生えるきのこの種類が明らかに異なると感じます。
それに加えて、周辺に渓流があり、その周りはスギの植林地となっているため、ヌメリガサ科の腐生菌や冬虫夏草系統なども期待できる。適当な山を選びましたが、とんでもなく魅力的に感じました。
オニタケ
ミズゴケノハナ近縁種
チチアワタケ
地元の公園で群生しているイメージが濃かったので、そこそこ標高のある雑木林のアカマツ樹下で出ているのは違和感がありましたw
ツチナメコ
ナカグロモリノカサ
でかい!とにかくでかいです。登山道の真横に突然現れたものだったので思わず声が出ましたw
普段見る個体の10倍近い大きさがあると思います。
本格的な登山道に入る前の、地面がコンクリートの林道のエリアから、真横を魅力的な渓流が流れていますが、登山道に入ってからは、下流部の水量と緩やかな流れからは想像もできないレベルで大規模な滝が連続していました。結構驚きました。夏休みに投稿した渓流遠征の川の支流ですが、水量だけなら下手したら本流よりも多いのではないかと感じました。地図で見てもかなり細く表示されているので、アブラハヤぐらいしかいない沢なのかと思いきや、間違いなくイワナが生息しているであろう山岳渓流でした。
これは近い未来、値似鷺などを誘って本格的に釣行したいものです。
そして本来は、山頂まで登り、そこから別の山を経由して行きとは別の駅に出るつもりでした。
ですがこの辺りから無視できないレベルで雨が降り始め、残念ながらこれ以上上ることはできないと判断。
悲しいですが下山です。と言っても、この辺りから登山道は沢と離れていき、現時点で採取できていないアラゲコベニチャワンタケ属は見つかりにくくなりそうなので、むしろ下りながら探した方が良いのでは?と思っていました。登れば登るほどブナの原生林となりますが、外生菌根菌系がほとんど見つかっていないので、その点でも下った方が良いかな?と思い下山。
結局この判断が最善だと、すぐに気づくこととなりました。
ウラムラサキシメジ
9月に腐葉土から群生する種と言ったら真っ先に本種が思い浮かびます。カサだけを見ると地味なきのこに見えますが、ヒダは目が覚めるような鮮紫色です。ヒダを撮影したものの、ピンボケすぎたためここには載せられず。
環境的に、ワンチャンクリフウセンタケだったりしないかなぁと思いましたが、近づいて見て、あぁ、裏だけ異様に紫色の奴だ、となりました。
トガリツキミタケ
オオイチョウタケ
林道の下の沢沿いに群生しているところを、登る時点で既に発見していました。撮影したかったものの、以外と降りにくそうな場所だったため、先の登山のことも考えて惜しくもスルーしました。ですが雨で下山を余儀なくされたことによって膨大な時間ができたので降りて撮影。
何気に4年ぶりくらいに見た気がします。やはり迫力が凄まじいですね。シロハツモドキのようにも見えますが、ベニタケ属のように泥を被っていることはなく、何故超巨大なので、とんでもなく壮観です。
ちなみに本種は、個人的にきのこの中でも美味しさは上位だと思っています。癖がなく、歯切れが極めて良いため、濃い目の味のスープや煮物に合います。今回は4年ぶりの実食となり、帰宅後ボルシチにして食べましたが、歯切れと香りが最高です。
ツノマタタケ
センボンイチメガサ
雨での潤いや、背景のぼけ加減がいい感じで加わり、過去TOPレベルで美しく撮影できたきのこ画像となりました。
その後、登山道が終わり、麓に。まさか戻ることになるとは思わなかったでしょう。
そして時間が膨大に余ったので、小規模な沢が流れている森を適当に選んで移動しました。と言っても初場所ではなく、渓流釣り目的で4年前に訪れたことのある場所ですが。
トキイロヒラタケ
何気に人生で初発見となりました。梅と思われる木の枝に生えていて驚きました。ピンク色のヒラタケ型の子実体が見えた瞬間、まさか!?と感じ、予想は的中。
形状はウスヒラタケと同じですが、図鑑の記述にある通り、ごく幼菌でない限り子実体が強靭になっていることを確認できました。取ってみようとすると、普通に柔らかめのカワラタケぐらい硬くて驚きました。
ウスヒラタケは成長するほど水っぽく柔らかくなりますが本種は逆なようですね。
Scutellinia sp
今回もノルマ達成です(笑)結局、途中で降水により下山したのは正解だったようでしたね。安全面でもきのこ面でも。沢沿いは湿った朽木が多く、アラゲコベニチャワンタケ属には魅力的に感じましたが思いの外見つからず。移動先でもなかなか見つからず、焦っていましたがなんとか見つけられて一安心です。
そしてその後、思いの外きのこは少なく、それなりに時間が経ってしまったため、最終目的地に行くため、電車で移動。その目的地と言うのは…
パーキングエリアです。それもただパーキングエリアに行きたかったのではなく、「初狩PA」に行きたいと、前々から思っていたのです。
なんで?と思いますよね。はい、中央道沿いのPAの中ではややマニアックな部類に入ると思います。まぁ1つ手前が談合坂なだけありますからね。
単純に、夏休みに遠征で訪れた渓流の近くにあると言うのと、高速バスで富士山に行く際に何となく気になっていたからです。調べてみると、小規模ながら魅力的なフードコートとお土産売り場があり、しかも高速道路外から徒歩でも入ることができるので、これは行かない手はない!と思い続け、本日行くことにしました。
珍しく自撮りをするレベルで嬉しかったようです。
朝からほとんど何も食べずに14時30分になったため、まずは昼食。このPAを調べた際に、メニューが3種類だけ書いてあったため、結構小規模なんだなぁと思っていましたが実際に行ってみると50種類以上ありました。色々と魅力的なメニューがありましたが、調べた際に出てきて、これは旨いに違いない!と感じていた野菜炒め定食を注文。
予想以上のボリュームですが、890円と、量を考えたらかなりリーズナブルに感じ、味も素晴らしかったです。
やはり、PAや道の駅などで食べると、普段よりも美味しく感じますね。単純にテンションがあがりますよね。
PAと言えど、謎に数年前から気になっていた場所なので満喫。数量限定の納豆があるようですが残念ながら完売となっておりました。
と言った形で、心行くまで初狩PAを堪能し、夕方になったので帰宅。特定の小規模なPAを堪能って、ある意味変態ですよね…(笑)
今回は雨+曇りだったため、見えませんでしたが、富士山が綺麗に見えることでも有名だそうです。
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